製品情報

世界初の摩擦に依存しない緩み止め製品

はじめに

ノルトロックグループは、1982年の設立以来、世界で最も安全なボルト/ナットの緩み止めシステムを提供すべく尽力しています。当社のノルトロックワッシャーは、クサビ 状のカムを利用したウェッジロッキングの技術に基づいており、激しい振動や変動荷重に対してもボルト締結体の回転緩みを物理的に防止することができます。ノルトロック製品を選択するということは、購入先やメーカーを選ぶということにとどまらず、ボルト締結技術の専門家と提携し、長年培った知識と経験によるサポートを受けることも意味します。当社グローバルチームの営業技術員が、お客様の抱えるボルト締結に関する問題を解決すべく、改善策をご提案させて頂きます。

ノルトロックワッシャーは、摩擦を利用するのではなくボルト締 結体の軸力そのもので緩みを防止します。このシステムは、片面がカム面、反対の面が放射状のリブ面からなる2枚組のワッシャーで構成されています。カムの角度（α）がねじリード角度（β）よりも大きく設計されており、カム面とカム面によってクサビ効果が生まれるため、回転によるボルトの緩みを防止することができます。そのためノルトロックワッシャーは、並目以下の細目・極 細目でもご使用いただけます。逆に並目よりピッチの大きなタッピンねじや木ねじでは十分な緩み止め効果が得られません。ノルトロックワッシャーは再利用可能ですが、再利用限度回数は解除時に起こるカム面の摩耗量によるため、締結されている軸力に応じて変動します。また、細目・極細目等でピッチが細くなると解除時の摩耗量も大きくなり、再利用限度回数が減少します。貴社内で再利用回数を策定される場合は、弊社検証試験にてお手伝いさせていただきます。ノルトロックジャパンまでご相談ください。

ノルトロックワッシャーは、長年にわたり 独立機関や認証機関による厳密な試験と認可を受けています

ユンカー振動試験で実証

ドイツ工業規格DIN65151に準拠したユンカー試験は、試験機に接続されたロードセルによってリアルタイムの軸力が数値で測定できる、ボルト締結の耐振動性を測る試験です。ボルト軸に対してせん断方向に加振し、客観的数値で軸力を測定します。

ユンカー振動試験の結果、ノルトロックワッシャーは金属なじみによる僅かな軸力損失が見られるのみで、回転緩みによる軸力損失を起こしていないことが分かります。解除時の軸力上昇は、ウェッジロック機構の緩み止め機能が正常に作用していることを示しています。他の締結方法では、金属なじみがグラフに表れる前に回転緩みによる急激な軸力損失を起こし、ボルトの締結力を維持することができていません。

NASMの衝撃振動試験で実証

米国航空規格NASM1312-7によるNASM式振動試験は、米軍によって規格化されたボルト締結体の衝撃や振動に対する耐性をテストする為の試験方法です。

試験機はボルト軸に対してせん断方向（図の上下方向）に振動することで、ボルト締結体は試験機内で上下2回ずつ衝撃を与えられます。米国航空規格による試験は、一定時間の加振後に締結部が何度回転したかによってその結果を判定するもので、この点が客観的 数値で判定するユンカー試験との最大の違いです。

ノルトロックワッシャーの使用について

誰でも簡単に、確実な締結を

ノルトロックワッシャーを使えば、誰でも簡単に過酷な振動や衝撃に晒されるボルト締結体を緩みから物理的に保護することが できます。

ワッシャーの取付

予め2枚1組になったワッシャーを、カム面同士が向き合う状態で取り付けます。締結精度向上のため潤滑油のご使用を推奨いたします。
※ノルトロックワッシャーの緩み止め機能は潤滑油に影響されません

締結

トルクガイドライン（9～11ページ ）を目安に、トルクレンチ等の一般的な工具で締め付けてください。その他の強度区分のボルトを使用する場合のトルクガイドラインは、ノルトロックジャパンまたは担当のノルトロック代理店までお問い合わせください。

解除

ノルトロックワッシャーを取り付けたボルト締結体の解除は 締結作業同様に、簡単です。ノルトロックワッシャーは摩擦ではなく軸力を利用した緩み止め機構をもつため、解除時のトルクは締付トルク以下となるよう設計されています。そのため、ノルトロックの緩み止め機能の検証は戻しトルク測定では行えません。検証方法は右図をご覧ください。

再利用

ノルトロックワッシャーは、再利用可能です。再利用する場合は、ボルト/ナットと同様に再締結前にノルトロックワッシャーの摩耗検査を行い、ワッシャーの向き（カム面同士が向き合っているか）に注意してください。また、当社では摩擦状態の変化を最小限に抑えるため、再利用の際には潤滑油の使用をお薦めします。

潤滑油使用のメリット

ノルトロックでは、締結精度向上と焼き付き防止の観点から 潤滑油のご使用を推奨しています。径の大きなボルトやステンレス等の合金を使用する場合は特に有効です。ノルトロックワッシャーは潤滑油の有無に関わらず、物理的に緩みを防止することができますが、潤滑油の使用によって下記のメリットがございます。

• 摩耗低減による再利用性向上
• 摩擦係数の低減/安定化
• トルクを低く抑えることによる締結/解除の簡易化
• ねじ部の摩耗を最小限に抑え、ねじりストレスを低減
• かじり/焼き付きの防止
• 錆の防止

ノルトロックワッシャーの材質/タイプ表

* ノルトロックワッシャーのロック機能を保つためには、相手材の表面硬度が、ノルトロックワッシャーの硬度より低くなければなりません。 （上記表を参照）

** PRE値（孔食指数値）＝ %Cr + 3.3x%Mo + 16x%N 表の値は、基本材料に対するものです。

*** 推奨使用温度は、原材料供給元からの情報に基づいています。上記範囲内では、ロック機能に影響はありません。

ノルトロック鉄製（鋼製）ワッシャー

EN 1.7182または相当品から製造、表面処理：デルタプロテクト（亜鉛フレークコーティング）、焼入れ処理品

※寸法は製造上の都合により変更される場合があります。最新の情報はノルトロックジャパンまでお問合せ頂くか、HPにてご確認ください。